一敗地に塗れる

【読み方】いっぱいちにまみれる

一敗地に塗れるの意味

徹底的に打ち負かされて二度と立ち上がれないほど大敗してしまうこと。

一敗地に塗れるの由来・語源わかりやすく

一敗地に塗れるとは、中国の『史記しき』「高祖本紀」の故事にある劉邦りゅうほうのセリフに由来する。

始皇帝しこうていが死ぬと、諸方からしん王朝に対する反乱の火の手があがった。江蘇こうそはい県の人々も反乱を起こし、首領として劉邦を招き入れようとした。すると劉邦は「今将を置くこと善からずんば(いま将となる人を得なければ)、一敗、地に塗れん(すぐに打ち負かされて、泥まみれになる)」と、辞退した。
それでも人々はみな、劉邦には以前から高貴な位になる前兆があり、彼ほどの吉相をそなえた者はいないとして、何度も要請し、しかたなく反乱軍の首領となった劉邦は、後に天下を統一して、漢王朝を開くことになったという。

「血に塗れる」は「戦死した者の内臓や脳みそが地面に散らばって泥にまみれになる意」ともいう。このことから、完膚なきまでに大敗することをいうようになった。
史記…中国最初の正史。前漢の司馬遷の著。中国の歴史書の典型をなす紀伝体の史書。

劉邦…前漢の初代皇帝。廟号は高祖。沛県の亭長であったが、項羽とともに挙兵し秦を滅ぼした。その後項羽によって西方へ左遷されるも、垓下の戦いで項羽を破り天下を統一。長安を都として漢朝を創始した。
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